ホームセンターの「替刃式かんな」はすぐ使えるのか?!
実は刃が切れても「台」が狂っていると全く切れません!今回は特別な道具不要でかんな台を直す方法の解説です。
詳しく動画で説明していますので、ぜひご覧ください。
この記事はノートがわりにご参考いただだければ幸いです。
動画はこちらから。
かんなは「台」で切れる!
辻:ホームセンターで購入したばかりのかんな。買ったままですぐに使える!ということは以前の記事でお伝えしました。(ものによるかもしれません。)ですが、実は「刃」と「台」は月と太陽のように密接な関係。どちらが欠けても途端に切れなくなってしまいます。職人さんたちの言葉の中にも、かんなは刃でなく「台で切れる」という言葉があるくらいなんです。今日は「台なおし」についてです。お手持ちのかんなが生き返るように切れるようになるかもしれませんよ。
さて、使っていくのはこちらのかんな。以前も紹介させていただきました。台なおしもされた状態で販売されていますので、すぐに使用できますが、使っていくうち、ホームセンターでの在庫状況により、時間と共にもちろん反ります。このかんなをもっと削れるようにしていきます。
かんなを直すかんな?「台なおしかんな」
教室会員様にもお伝えして必ず驚かれるのが、かんなを直すかんながあるという話。台なおしは必要って聞いたことがあるけど、かんなでするの?と。
じゃあ台なおしかんなを直すかんな「台なおしかんななおしかんな」もあるの?と笑い話になります。
(ちなみに台なおしかんなは、これから紹介するようにサンドペーパーで直したり、普通のかんなで直したりしてやります。)
ちなみにお手頃でオススメの台なおしかんなはこちら。amazonで一番安いもの。それでも5000円台。なんで直そうとするかんなより高いねん!とツッコミたくなりますが、ご安心くださいサンドペーパーで十分だと思います。
かんなの台の状態をCHECK!
方法は簡単、木工でよくやる手法です。平面が取れた板に両面テープ、あるいはスプレーのりで、#120程度のサンドペーパーを貼り付けます。(段差などができないようにしてください。あくまで平面重視です。)そこに擦り付けると、干渉してぶつかっている部分が手にとるようにわかります。
(慣れてくると、黒い印でなくても、かんな台の擦れてる光沢部分で日常的にわかるようになります。)
今回のかんなも両脇が高く、台がしら(かんなのおでこの部分)が干渉していることがわかりました。大体はこのような形で反るようにできているんです。(後述)
このおでこの部分が干渉すると、刃をたくさん出さないと材料に届かなくなります。
すると、材料を削る、というより、えぐるような形になるんですね。
△これがよくやってしまう間違い。台が悪く刃が届かない➡︎刃を出す➡︎材料をえぐるように剥いてしまう。
刃口と台尻の2点設置を作る(重要)
次に、かんなのお腹が出っ張っていたら、結局刃をたくさん出さなければならなくなります。
そこで刃口と台尻の2点設置にします。かんなのお腹の部分をすいてあげるわけですね。
刃と平行の反りも直す。
かんなの背の高さ方向の歪みをとっても、左右が高いと結局、幅広い面積で削れません。ですので、まずはかんなの刃と平行方向の反りを取ってあげます。この左右での反りがひどい場合はまずこれを行ってから、背の高さ方向の調整(台がしらをすく、お腹部分をすく。)を行った方が良いでしょう。
かんなを作る職人さんが木取り(=丸太のどこの部分を材料に使うか)を計算されていて、修正しやすい方向に反るように取ってくれています。(下図参照)
実際にサンドペーパーでかんな台を調整する。
まず初めに、かんなの台があまりにもひどい(反りがあまりにも各方向に出ている、ねじれている)場合などは、一度台全体をまっ平にします。
(今回は少しだけでしたので、上下左右の方向を少しずつ削り調整しました。)
平面にサンドペーパーを貼り付け(両面テープなどで貼る場合はテープの厚さ分を拾ってしまうので、段差ができないように注意!スプレーのりで貼る方法などをオススメします。)
順番は臨機応変に変わりますが、間違いはありません。今回は台がしらの調整からしてあげました。刃口、台尻よりも0.2~0.3mmほど台がしら全体を下げます。
今回は刃と平行方向の反りを取りつつ、お腹をすかせてあげるように取っていきました。
もちろん、まずかんな台をフラットに直してから背の高さ方向の調整(台がしらをすく、お腹部分をすく)を行っても問題ありません。
ただし、場合によっては台の摩耗(消耗)が早くなるので、同時に行えるようになるのがベターです。
まとめ
台を直したところ幅広い面積で削れるようになりました!
刃がいくら切れても、台を直せるようにならないとかんなは使えません。
ですが、このような形で簡単にかんな台を治せる方法を知っておけば、あとは替刃を交換するだけですね!
かんなはDIYには必要ない!あるいは、職人さんが使う物、と毛嫌いする方が多いですが、実際に切れるかんなを使ってみると、物づくりがもっと楽しく、早く、キレイに楽しめます。粉だらけにもならないので片付けも楽。
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