いつも熱心に、朝早くから準備をされているYさん、
お世話になった方に、と、たくさんの厨子をつくられています。
はじめは、自信がないから、とシンプルな箱形のものに、と仰っていたのですが、
だんだん、作業にも慣れてくると、どんどん、こうしたい、ああしたい、が出てきます。
1つめ、2つめ、3つめ、とどれもそれぞれの味があり、どれが良い、ということはありませんが、
新たな技術をどんどん取り入れて、楽しんでつくられていらっしゃいます。
装飾が加わっていきます。
Yさんの『素敵だな』と思うところ、
木の使い方がとても上手なのです。木目の善し悪し、悪くても味として、こう使う、
この端材がもったいないから、ここに飾りをつけたい。など、
私がいうのも失礼な話ですが、私たちで開催している、『こども木工教室』の少年さながら、
カタチにとらわれない、ある材料をつかってあげたい。という気持ちが、
目の輝きにあらわれています。
何を隠そう、Yさんはアルブル木工教室を抱える大宝木材の前社長、先代なのです。
生徒さんとして、とてもご謙虚に通われていらっしゃいます。
もちろん、私たちも生徒さんとおなじように対応させていただいてます。
何十年も前に、ご自身で曳いたり扱っていたタモの荒板が、こんなふうに今、
お世話になった方々に届くかと思うと、教室も身が引き締まる想いです。
いつも穏やかな先代社長だからこそ、逆に、『しっかり、木の文化を広めてね』と
諭されている気がするのです。
さて、
さらにバージョンアップし、今度は扉をつけたい、とのことです。
目の前で目を輝かせ仰られ、
今の技術で、なるべく早く、たくさん作れる、危険度のすくない方法を
うーん…、と考えていたところ、
『不可能はないんだよね?』とぴしゃり。
引き続きお互い楽しみながら、こころのこもったもの、作っていきましょう。
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