みなさん、こんにちは。
アルブル木工教室の米地です。
ついに緊急事態宣言まで出ましたね。
イタリアやアメリカでは1週間に1万人が感染したレベルで緊急事態宣言でしたが、日本では1週間でまだ数百人単位で緊急事態宣言ですから、こっから先は絶対終息に向かうはずです。
そう、絶対終息に向かうに違い有りません!
私は免疫力を上げるためにも前向きにポジティブに、こっからは絶対に終息に向かうに違いない!…と思うようにしています(^^;;
さて、このコロナウィルス騒ぎですべてのがイベントが自粛になるなか、人の行いは止まっても季節は着実に移っていて、桜は例年のように綺麗に咲いています。
うちのマンションの前の桜も綺麗に咲いています。
桜が咲いたら春、桜が咲いたら1年生、桜が咲く頃には社会人、などなど日本人の大きな節目に咲く桜。
この季節に花見に行きたいなぁと思うのも、桜が綺麗だからとか、とにかく酒が飲みたいだとかという理由よりも、春がきた、新しいことがはじまりそうというワクワク感から花見が楽しみだったりするような気もします。
そんな日本人が好きな桜、もちろん用材としても使われてきました。
うちの会社、大宝木材は私のじいちゃんが創業した会社で、北海道材専門の会社です。北海道材とはなにかというと、北海道に生えている木というのはもちろんなんですが、一般的にいうと北海道に生えている広葉樹のことを北海道材といいます。
樹種としてはタモ、ナラ、桜など。
そう、うちは桜の製材も専門としてやっています。
…と、私はじいちゃんから習ってきたんですが、この桜、正確にはさくらではありません。
北海道のマカバとアサダという名前の木を桜と言ってたんです。
マカバというように、カバ、つまりシラカバとかの仲間で、桜のようなピンクの花が咲きません。
いや、実際に生えているところを私はみたことがないので正確にはわかりませんが、ソメイヨシノのような花は咲かないと思います。
それではなぜカバの仲間の木を桜と呼んできたのか?
その理由は諸説あるようですが、日本人は桜が好きで桜は人気があるので、木目の感じや色が桜に似ているから「ええい!桜ってことで売っちゃえ!」ってなったんじゃないでしょうか…?
いやいや、木材業界って結構こういういい加減なところあるんです。
桜の板で一番有名というか一番値打ちがあると言われているものにミズメザクラという木があります。水目桜と書きます。この一番有名な桜でさえ桜ではありません。ミズメザクラもカバの仲間なんですよね。
あと、木材市場に行くと、山桜と名前がついていて、なんの桜なんやらわからないのもあれば、雑カバと名付けられて一山いくらで売られている桜もあります。雑カバって、ねぇ…?
まあ、それだけ桜の木は人気があるんですよね。
人気があるからよく売れる、高く売れる、よっていろいろと市場に出てくるんでしょう。
それで、うちの会社で扱いのあるマカバ、アサダの話をしますと、これはやっぱりとてもいい材です。
マカバは板にするとミズメザクラに良く似ていて、なんかミズメザクラの代用品として製材されはじめたと聞いたことがあります。写真とかでしか見たことありませんが、確かに良く似ています。
特徴としては、めちゃくちゃ硬い材です。
めちゃくちゃ硬くて、そしてめちゃくちゃ暴れる材です。
ここでいう暴れるとは、丸太から製材しておいておくと、板はだんだんと乾いてくるのですが、乾いてくる段階でそったり割れたりする、つかり木が動くことをいいます。すごく動くことを暴れるといいます。
めちゃくちゃ暴れるので人工乾燥なんてかけることができず、天日でゆっくり長時間干して乾かすことになります。
タモやナラで半年乾燥させるところをマカバは2年乾かします。
乾燥させるのに時間がかかって、しかも反ったり割れたりして使えるところが減るので、ますます高価になります。
それだけ手間がかかっても、板にすると赤みがかってとっても綺麗になるんですよね…。
北海道材ももうあまりいいのがなくなってきて、アルブル木工教室でも桜といえばアメリカのブラック・チェリーが主となってきました。
ブラック・チェリーも確かにいい材だと思いますが、もし機会がありましたら是非マカバも使ってみてください。
うちのある在庫は現状100%国産のマカバです(^^;;
ちなみに、アルブル木工教室の出張木工教室や木育フォーラムの出前授業でいつもやっているお箸作りワークショップ、これの材料はうちの在庫のマカバとアサダです。ヒノキやスギでお箸作りをすると、ヒノキやスギって割り箸と一緒なので加工は簡単だけど長持ちしません。うちのお箸作りは高級材です(^^;;
もし機会があればこちらもやっていただけると、北海道の桜の良さを知ってもらえると思います!!!
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