「つつみかくしありつぎ」
とはつつんで、かくす、ありのかたちをした、接合方法。
木工にも、大工さんにも、相撲の決まり手のような、手段がたくさんあります。
この部分が、「技」とよばれる部分です。
こちらはAさんのニレでの作品。
仮に組んでみている段階ですが、完全に組むと、
何もなかったかのような、苦労のわからない組み手なので、
今のうちに写真をとらせていただきました。
(Aさんはご自宅でせっせと進めてしまいますからね…。)
組む前の仕口。
どうでしょう。Aさんこだわりの木目をつなげた加工。
接着すると、まったくわからなくなってしまうでしょう?
ボンドでただ、くっつけたんちゃうん?って。
木をポキッとまげたような、不思議な加工。
でも、最近では、スカスカな板に、木を薄くスライスしたものをまきつけ、貼付けた、
「プリント合板」なるものが出来て、あまり感動がないかもしれません。
でも、家具は角の部分がよく擦れるので、スライスしたシートを貼付けただけでははがれたりします。
包み隠し蟻継。
見る人がみたらわかる、長年使ってみたらわかる。そんな技。
木工では、斜めの加工が一番難しいんですね。
だから、傾斜のついた椅子などは、とくにむずかしい。
この仕口は斜めを組み合わせ、ひきぬけづらくするので頑丈なんです。
それが、「あり」とよばれる技。
日本人はアリの頭とお尻の形を模して「蟻」となづけました。
海外でも全く同様な仕口があります。
そして海外では「dovetail」(ハトのしっぽ)となづけました。
個人的に、dovetail の方がふんいきが可愛いな。と思いますが。
この記事へのコメントはありません。